ボルゾイの絵本2

それからパベルは納屋を出て、大きなプライベートフォレストを囲む低い石の塀に向かって雪の降る牧場を通りました。彼らはその壁に到着し、パベルの心はドキドキしていました。この凍てついた灰色の石を横切る者、あえてこの皇帝の森に足を踏み入れる者は、多くの場合戻って来られないのです。銃を持った猟番場人の側にある森には、イノシシや、熊、狼がいるのです。パベルは怖くて、彼の心臓は胸まで大きく波打っていました。暗い木のそばで立ち、雪の中で兵隊の様にあたりを見つめていました。それから彼は犬に目をやり、壁を這い登りました。彼はロープを引っ張り、そのウルフハウンドは彼の後を機敏についてきました。
パベルはあたりを注意深く見渡し、何か恐ろしいことが起こるのではないかと聞き耳を立てていました。そのウルフハウンドは飛び跳ねて、パベルの顔をなめ、彼は寄りかかってきました。

ボルゾイの絵本2

「まだ座ってて」
とパベルは泣きました。するとそのウルフハウンドはまるで魔法にかかったかの様に静に座りました。パベルはロープをほどき、犬にそれを見せました。
「分かる?もうお前は自由だよ。」
と彼は言いました。
「言ってもいいよ、おうちにお帰り。」
しかし犬は動きません。
「行って」
パベルは言いました。
「行くんだ!ここにいることがばれて連れて行かれないうちに、さぁ!」
犬は尻尾を振りました。パベルは彼の頭の周りにロープを振りかざし、
「家に帰るんだ!」
と叫びました。しかしウルフハウンドは壁に飛びのいただけで、そしてその時突然大きな声でほえました。
パベルは犬のほうへ行き、
「凍え死にたいの?」
と泣きました。怒りにも似た涙が彼の目に流れていました。そのウルフハウンドは彼によりかかり、しっぽを雪の上で振っていました。パベルは両方の腕で犬の首を抱き、彼の顔をうずめました。彼はもう一度首周りにロープを巻き、後ろを振り返ることなく森へと向かって壁まで誘導しました。

ボルゾイの絵本2
ボルゾイの絵本2

森は空の教会のように静かでした。太陽の日差しは気味の悪い多くの白樺の木の間からさしこみ、パベルは猟番場人や、けだものが気になりすぐに止まりました。しかし雪は深く冷たく、そしてやわらかかったのです。パベルの手と足はひどく痛んでいました。
 「もうここからなら家までの道が分かるだろ?」
と彼は犬にいいました、そしてロープを解きました。
突然そのウルフハウンドが声を上げたのです。鼻を鳴らし、近くの木に向かってその鼻を向けていました。パベルははっきりとしない、けむくじゃらのけだものが雪を掻き分け走っているのが見えました。

「狼だ」と、彼は囁きました。彼の心臓はバクバクと音を鳴らし始めていました。その大きな犬はパベルが彼らの黄色の目を見えるほど近くに狼が寄って来たので、ロープをぴんと張りました。

ボルゾイの絵本2

そのウルフハウンドは突然飛び出し、パベルの手からロープをぐいぐい引っ張ったのでした。ゆっくりと、慎重に狼達のもとへと近づいていきました。狼たちはすくみ、それから音もなく、木の間に戻り、徐々にいなくなり始めました。そのウルフハウンドはその頭を持ち上げ2回吠えました。
その時です。

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